<『商業界』‘2000年3月号掲載>

ページコンパリゾンで繁盛要素を
しっかり勉強しよう!

インターネット通販には限りない夢がある。
ひとりで1億円も夢ではない。しかし、実際には、ホームページを開設したものの、ひとりのお客も迎えられずに、閉店を余儀なくされたインターネット・ショップは少なくない。そういう人は、「インターネットは少しも儲からない」と言う。

  " インターネットは儲かるのか否か?"

 私達とインターネットとの付き合いの歴史は浅い。何も知らずにホームページだけ開設しても、儲かるわけはない。商売がそれほど甘いものでないことは、実店舗で日々商いをされている方であれば、百も承知のはずである。

   なぜ、うまくいかないのか。
インターネットの商売を、ただホームページを開設すればいいと思っているからである。誰もが、そう思っていた。しかし、そうではなかった。そのことに気がついたところだけが、儲けを出している。

現在の成功店が試行錯誤した結果が、すでにある。同じ試行錯誤に無駄な労力、時間をかける必要はない。
では、今から始めるショップのために開始手順を見てみたい。

準備にじっくり時間をかける

ショップ開設の手順を図―1に示した。
ホームページの開設はDにあたるが、それまでに、@調査・分析、A企画、Bサイト構築の準備、CHP作成の勉強がある。この手順は分けて行う必要はないが、どれも欠かせない手順である。@の調査・分析をしながらA〜Cをやってもいい。とくに、この中で飛ばしがちな@、Aは十分に時間をかける必要がある。
また、開設した後にショップを見直すことも忘れてはならない。と言うよりも、ショップを開設したら、毎日が見直しの連続である。


他のショップを見てみる

「インターネット・ショップを開設すること」イコール「ホームページを出すこと」ではないと、すでに述べた。では、何をすればいいのだろうか。

実店舗を出すことを考えてみたい。実店舗を出す前に、実店舗で買い物をしたことのない店主はいないはずである。子供の頃からの買い物体験は、なんらかの智慧をもたらしている。また、実店舗を実際に出すともなれば、あちらこちらの繁盛店を貪欲に覗きに行くはずである。

インターネットショップも同じである。

まず、よそのショップを見てみよう(図−2)。買い物をしてみよう。原則が、まだ出来上がってないだけに様々な店があり。様々な商品やサービスが提供されている。

・ホームページは、見やすいだろうか。
・店主の顔は見えるだろうか。
・トップページはすぐに表示されるだろうか。
・どういう商品を売っているページなのか、すぐに分かるだろうか

    
          図−2 ホームページチェックリスト      
 
  1)トップ・ページが必要以上に重たくないか
  2)無意味なグラフィックが使われてないか
  3)トップ・ページを見て、どういうホームページなのか、すぐに分かるか
  4)見た瞬間にその店、店主に親近感を感じるか
  5)色使いは適切か、字が読みやすいか
  6)商品が探しやすく、注文しやすい工夫があるか
  7)商品の特性が分かりやすく説明されているか
  8)階層が深すぎないか
  9)信頼できそうな店か(所在地、代表者、連絡先の明記)
 10)安心して買い物ができそうか(決済方法、交換、返品等の明記)


たとえば、トップページがすぐに表示されないページに飛び込んだときに、どういう風に感じるだろうか。このあたりは、店主というより、お客の立場で感じてみたい。
少なくとも、100軒以上のインターネット・ショップを覗いてみよう。そうすれば、いい店とそうでない店があることが分かる。どういうページを作るべきかも分かる。
ショップの探しかたは、CSJショッピングガイドはベストショップをリンクしている。また、逸品.comは繁盛店でなければ出店できないレベルの高いモールである(図−3)。十分に見て欲しい。しかし、繁盛ショップだけでは不十分である。
他の一般的なショップも見て、比較して欲しい。一般的なショップは、Yahoo!Infoseekなどの検索エンジンで、目的の商品を入力してみる。
たとえば、「和菓子」と入れると、和菓子を売っている店が軒並み表示される。一般のショップと繁盛ショップを行きつ戻りつ何度も何度も見てみるとポイントは掴めてくる。

ショップで買い物をしてみよう

次に、買い物もしてみよう(図−4)。

・お礼のメールはすぐに来るだろうか、
・商品はすぐに届くだろうか。
・支払いの方法は多彩に準備されているだろうか。
・たとえば、贈答に使いたいと考えた場合に、代引きしか提供されてないようなことはないだろうか。
・商品が届いてみて、ホームページで紹介されている通りに優れた商品だろうか。
・もし、思い通りの商品でなかったとすれば、何が悪かったのだろうか。
・ホームページで表示しているイメージと違ったイメージを、お客に持たせない工夫はされていただろうか。


それでも、イメージ違いが起きた場合に、お客がストレスを感じずに返品、交換できる仕組みは提供されているだろうか。
間違いは起きる。どんな繁盛店とは言え、間違った商品、不良品を届けてしまうこともある。間違いがあるか、どうかは重要ではない。

一番重要なことは、すべての買い物過程を通じてお客を感動させる仕組みが作れるかである。TシャツのEasyは、通販開始当初のお客の少ない頃、振込用紙にお客の名前、住所を手書きで書き込んでいた。紳士服のダイシンは、一枚の服を売るのに、新幹線に乗って採寸に来る。万が一、間違いを起こしたとしても、その後のフォローで十分にお客を感動に導くことはできる。

         図−4買物チェックリスト
  
  1)商品は魅力的か
  2)価格は適正か
  3)商品はすぐに届くか
  4)決済の方法は便利なものが提供されているか
  5)返品・交換は受け付けているか
  6)商品代金以外にかかる費用は明記されているか
  7)商品代金以外にかかる費用は納得できるものか
  8)メールは細めにくるか
  9)メールの文面は親しみやすいものか
 10)支払いが遅れた場合に請求の仕方は適切か

自店の分析をする

ところで、なんのためにホームページを出すのだろうか。それは、各店によって状況は異なるはずである。

・実店舗の立地条件が悪化して、インターネットの世界に進出しようとしているのだろうか。
・優れた商品を扱っているが、知名度が低いために商圏が狭いので、商圏を広げたいのだろうか。
・その前に、本当にインターネットショップを出す必要があるのだろうか。
・また、パソコンに詳しい人材はいるだろうか。
・現在、パソコンを使っているだろうか。


 インターネットで商売を始めようとすると様々な問題が出てくる。目的がはっきりしていなければ、解決も困難になってくる。

  パソコンを扱ったことがなければ、パソコンを習得する準備はあるだろうか。若い後継者や従業員に任せるにしろ、店主が扱えるにこしたことはない。

少なくとも、他店ホームページのチェックは、店主が行うべきである。
若い従業員に任せたとしても、チェックを店主がしていれば、ホームページの内容についての指示はできる。
また、インターネットショップが軌道に乗ってきた場合に、増員できる体制にあるだろうか。店主がひとりの場合は大変であるが、なんとかなるようである。

問題は、従業員や後継者に任せた場合である。
インターネットショップの運営が大変であることを十分に理解していなければ、長続きはしない。十分に状況を把握して、必要な場合に増員することが必要である。

これだけでも、インターネットショップを出すことは、かなり労力のかかることと想像できるだろう。しかし、実店舗を出すときの苦労を考えて欲しい。
インターネットショップも苦労は同じである。しかし、インターネットショップには、限りない希望がある。インターネットショップに限りない夢を抱けることも、インターネットショップ開店の大事な要素と言えるだろう。
次回は、A企画・計画について説明したい。


ホームページへ