第2章 金融・放送・その他のサービスのインターネット・ビジネス戦略
金融ビッグバンは2001年までに金融、株式、保険等の垣根を取り払うことで金融制度全般の
改革を行うものである。これにより業態間、金融機関同士の競争が激化することは間違い
ない。すでに150近くの金融機関がホームページを立ち上げており、ホームページバンキング
などのインターネットによるビジネスの可能性を追求している。
地元情報を積極的に提供する信用金庫
静岡県にある焼津信用金庫は地域密着に徹し、緊急医療センターの紹介や地域で
ホームページを開設している企業のリンク集を作るなどなど産業、分化、観光等の情報を
提供する。また信用金庫の業務としてローンの計算による返済シュミレーションや
残高照会などが、家にいながらにしていつでもでき、消費者の便利さを追及している。
<<執筆担当・福世一市>>
BYR14551@nifty.ne.jp
金融ビッグバンに対応した株式手数料の自由化、他業界からの参入などの厳しい状況下、
存続さえも危ぶまれる中小の証券会社ではインターネットを使った戦略を模索する。
インターネットによる顧客の取りこみ、株価や売買状況などのすばやい情報提供、
インタラクティブ機能を生かしたページ作りなどが中心となっている。
ホームトレードの活用を行う『大和証券』『今川証券』
大和証券のホームページでは、上場・店頭株式、株式ミニ投資、大和MMF・中期国債ファンド、
残高照会などの注文、照会がホームページを通じてできる。また今川証券ではホームトレード
による注文に店頭株式の取引手数料を半額にするなどで営業マンによる実績を上回る
新規口座件数をインターネットで獲得している。東京マーケットニュース、為替・相場の展望、
店頭市況や質問に対する回答などを素早くネットに掲載し、情報提供機能を強化している。
<<執筆担当・花井勉>>
tsutomuhanai@ppp01.infopepper.or.jp
日本の保険業界は生命保険と損害保険の兼営に引き続き、日本版ビッグバンにより
完全な自由競争の時代を迎えている。特に自動車保険においては、リスクの細分化に
よって保険料の割引率が大きく変わるなど業界に大きな衝撃を与えている。21世紀には
コンサルティングや新しい枠組みなど事業として戦略を持った代理店が生き残る。
外国人向け情報も発信する『エス・ケー・スレイマン』
自分の事務所の情報発信のためにホームページを開設した。得意の英語を生かし、
外国人向けに英語のページを用意するとともに、自動車の取得・譲渡の手続きに関することに
ついてもアドバイスを行う。事務所がある白金に所在する大使館、病院、大学、ホテルなどの
情報を発信することで見る人が主役、という主張通り、知りたい情報を提供することに心がける。
楽しみながらホームページを更新する『角田総合保険事務所』
保険商品をホームページ上で説明する場合、保険会社の許可が必要となるなど、保険の
募集に関してはいろいろ制約があるが、今後保険料の自由化に伴い、緩和される方向である。
このサイトでは、電光ニュースのように流れる文字を使用したり、多数の検索エンジンに登録
する、リンク集を設けるなどでアクセスを増やした。情報の発信基地として、販売貢献へ期待。
<<執筆担当・岩間文雄>>
bic@saitama-j.or.jp/~bic
規制緩和により、放送業界にも大きな変化が見られる。従来の大衆(マス)を対象としてきた
内容から、特定の個人を対照とした内容にすることが可能となった。
また電波のボーダレス化が進むことから、海外からの放送を受信することも可能となる。
放送局のインターネット活用事例を通して、メディアとしてのインターネットの本質を見る。
従来のメディアの限界を克服する『静岡放送』
放送局、新聞というメディアを扱ってきた静岡放送は、総合メディア業としてインターネット
という新しいメディアへ取り組んだ。双方向性を生かし、視聴者からの情報収集にも
積極的に取り組む。また、地方だからこそ提供できるコンテンツにこだわることで、
県外、海外からのアクセス、またリピータを増やすよう努力している。
地域密着型コミュニティFM『エフエムしみず』
静岡県清水地域をサービスエリアとするコミュニティ放送会社であるエフエムしみずは
住民参加型の番組制作を行っている。ホームページはボランティアの協力で立ち上げたが
親しみやすいように「パーソナリティのページ」などによって映像を発信できない
ラジオの弱点を補い、意見収集などにも活用している。
<<執筆担当・福世 一市>>
BYR14551@nifty.ne.jp
インターネット接続サービスなどこれまでの放送とは違った魅力を感じて視聴者が増え、
加入世帯数も増加している。マルチメディアサービスの旗手として期待されている。
マルチメディアのインフラを活用する『上田ケーブルビジョン 』
ホームページは通産省のEC推進事業の仮想実験としてスタート。社長の方針は「地域に密着した
情報を流し、伝承の文化を守り伝える。」というもの。一般回線の350倍という高速回線を生かし、
図書館情報、緊急情報ネットワーク等を事業化し、インフラ整備に貢献。また子供達のイベント、
アイスホッケーロボット大会など初の動画による中継を行い、CATVによる事業は拡大している。
地域に密着した取り組みで事業拡大を図る『LCV』
LCVでは求人情報、CATVサービス・番組案内、諏訪の情報の他、7年ごとに行われる名物の
御柱祭りの中継放送を行い、高加入率に貢献した。また地元高校やボランティアへ接続できる
環境を整備することで地域への貢献を行うと同時にインターネット活用の種を育てる。
<<執筆担当・関 信一>>
bco-seki@avis.ne.jp
従来の汎用型コンピュータに代わり、パソコンやインターネットによる情報システムが高い需要を
牽引している。構造的な変化の中、大きな事業機会を期待できる情報サービス業へは様々な
事業分野からの参入も相次ぐ。典型的な知識集約型産業であるこの業界において、もともと
ベンチャー気質が強かったがインターネットによってさらにその裾野が広がっている。
バーチャルホストサービスで起業した『潟Aイル』
潟Aイルはサーバの一部をレンタルするバーチャルホストサービスでの歴史は浅く草分け的
存在であるが、サーバをアメリカに置くことで安価なサービスを提供している。
多角的事業を展開する『潟Gスコーツ』
潟GスコーツはD.T.P.出力サービス、写植の書体保有などを行う広告制作会社であるが、
情報化時代をにらみバーチャルシティーの制作、運営、CD ROMの制作代行、パソコン
スクール等これまで培った技術を利用してマルチメディア関連の事業展開を行った。
<<執筆担当・藤原 正樹>>
m-fuji@mbox.kyoto-inet.or.jp
人材派遣業界は労働派遣業の法改正による規制緩和を背景とし、パソコン関連業務等での
求人需要増加も手伝って高い伸びを示している。雇用システムの変化という企業側の事情と、
自分のライフスタイルを守りたいという派遣社員側の希望のマッチングにおいて
インターネットを活用している2社の事例をみる。
地域に密着した戦略を展開する『MRJ 』
会計事務所も営むMRJは社員教育でその経営資源活用のメリットを発揮し、質の高い労働力を
提供している。ホームページ上ではそれらのメリットとともに、企業側および派遣社員側双方へ
それぞれへのページにて競争力のある価格(給与)設定を武器とする。そのためホームページ
を開設することで宣伝広告料を抑え、また地域に密着することでフォローアップ等差別化を図る。
さわやかなイメージのホームページで登録者増加『トリニティー』
渡辺久美子社長自身の経験より、派遣先企業、派遣労働者、そして人材派遣会社の三者が
きちんと一体になっていることの重要性を意識した会社。女性らしくホームページはさわやかで
わかりやすい。運営は登録者へのきめ細かいメールによるフォローなど信用を第一とする社長の
意思が反映されており、働く女性、子供を持つ女性の環境をよく理解したフォローアップが評判。
<<執筆担当・福原 俊博>>
fukhara@da2.so-net.ne.jp
一般にコンサルティング業と言っても、何の制約もないため会社の形態、対象企業、業界など
様々であり、供給過剰によって競争激化の状況にある。また企業の経営環境が厳しさを
増している中、コンサルティングニーズはますます多様化、高度化している。今後これらの
ニーズに特化した対応がどれだけできるかで集客、収益に影響がでてくるであろう。
新たな顧客層にアプローチする『TSKプランニング 』
64%の確率で倒産の危機から救う同社には、全国から倒産の危機に瀕した会社の経営者
から問合せが飛び込んでくる。ベンチャーブームを背景として増加する若い経営者にも
同社を知ってもらうためにホームページを開設。何とか倒産を回避できないかという質問に
対し、年間500件のアドバイス、倒産チェックリストなど倒産回避のための知識と知恵が掲載。
インターネット自体をコンサルティングする『ファーストジャパンコンサルティング』
一般の店舗向けのコンサルティング同様インターネットのホームページをコンサルティングし、
いかに商売に結び付けていくかを専門的にアドバイスしていく。同社のホームページでは
そのようなインターネットビジネスに関する考え方が掲載されている。またインターネットによる
共同ビジネスを募集しており、実際にインターネットビジネスで成功している事例がある。
<<執筆担当・林 喜勝>>
CQE07750@nifty.ne.jp
全国の事業所数において86%を占める中小零細の不動産斡旋業者は、物件情報の収集、
提供能力が弱くなりがちである。インターネットにより情報を入手したい、あるいはインターネット
による情報公開を行いたいとする業者は7−8割に達するという調査もあることから、ある
不動産会社の取り組みを参考にインターネットビジネスの成功のポイントを探る。
全国で56,000店の不動産会社をネットワークする『アットホーム 』
インターネットによる不動産情報入手を望む、という回答が84%となったことからも、アットホーム
ではインターネットにより24時間、同社が発行する情報誌の全物件を検索することを可能に
している。詳細な物件情報とともに、絶対欠くことのできない間取り図や物件周辺環境情報、
官公庁の行う公売物件情報など付加価値の高い情報を提供することで取引拡大を目指す。
<<執筆担当・村井 信行>>
murain@mb.infoweb.ne.jp
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