第3章 飲食・旅行業のインターネット・ビジネス戦略
今、時代は飲食店業界に追い風である。余暇市場の拡大と女性の社会進出、バブル崩壊後に一段と
逞しくなった感のある飲食店業界である。インターネットを導入している飲食店は少なくないが、外
注で張り紙程度の利用の仕方しかしていないところが多い。こうした中で、飲食店としての積極的な
活用に挑戦している例を紹介したい。
観光案内として、飲食店街を紹介する中華街
横浜にある中華街は、広域型の中華料理店を中心とする商店街である。観光客が顧客の中心
であることから、中華街のほぼすべての料理店を料理の種類別に紹介している。
安価な広告宣伝媒体として、インターネットをフル活用している『ゆめのいち』
インターネットは、安価な広告媒体と言われる。店主の米川昌一氏がパソコンを導入した
きっかけは、まさに、バブルの崩壊による顧客減少に対する経費削減であった。料理メニ
ューの紹介、顧客の紹介、自己紹介など、新規客に最初からなじんで貰いたいという心の
滲んだホームページである。
インターネットで、地域活性化を図る『谷津坂屋』
『谷津坂屋』のある横浜、金沢区は車社会に乗り遅れた地域であった。しかし、情報化社会
には対応できる。気がつくと、金沢区で丸紅がケーブルテレビを使ったインターネット実験
を始めていた。ケーブルテレビを活用したホームページで地域情報を提供し、『谷津坂屋』は、
今や金沢区でインターネットを活用する人々の溜まり場である。
<<執筆担当・青木悠子>>
VFG04234@nifty.ne.jp
アメリカからフランチャイズ・システムが導入されて以来、短期間で急速に成長できるビジネス
形態として、日本でもFCは驚異的な成長を遂げてきた。しかし、FCでも大手以外の発展途上や
立ち上げ当初のFC本部は、知名度の低さから加盟店募集に苦労している場合が少なくない。こう
したFC本部は一般消費者のみならず、加盟店希望者へのアピールの手段としてもインターネットを
利用している。
本物の味でFC展開をアピール『焼肉屋さかい』
「焼肉屋さかい」では、FCオーナーの募集を目的にホームページを開設している。「焼肉屋さかい」
の事業内容、フランチャイズ・システムが一目で把握できる。また、メニューの写真や店舗内の様子
をふんだんに取り入れ、加盟希望者がまるで実際に店舗見学に行ったように丁寧に解説されている。
フランチャイズ・システムを分かりやすい形で解説、増改築のFC『ミスタービルドジャパン』
ミスタービルドは、増改築のFC展開では日本最大手の本部である。ホームページでは、なぜ住宅のリフ
ォームに業界にフランチャイズ・システムが必要かが明確にアピールされている。ホームページの更新
は社内企画部にて定期的に実施されている。内容は、@ミスタービルド・ブランドとそのノウハウの活用によるメ
リット、A資材の共同購入、B情報化等によるスケールメリット、C各種研修などである。
<<執筆担当・藤田隆久>>
BYR00467@nifty.ne.jp
ここ数年の国内観光は、前年比で減少傾向にあり依然として厳しい状況
である。しかし、温泉はひと昔前のお年寄りのものというイメージから
脱皮して、若い女性にまでも受け入れられるようになっている。
こうした旅館・民宿にとり、インターネットは経費のかからない強力な
武器である。
インターネットで新市場を開拓した『紅葉館きらくや』
旅館業の方向転換の必要性を実感した村田社長は、それまでの伝統的日本旅館
を食事なしで温泉を楽しめるB&Bに改造、そして、ホームページを開設した。
ホームページの頻繁な更新は、もちろん、開設にあたっての綿密な調査、積極
的なプロモーション、インターネットの力、特性を知り尽くした展開である。
インターネットで大規模ホテルに対抗する『あらしま』
『あらしま』のホームページは、日本全国でホームページを開設している旅館が、
10軒程度であった頃に開設した。ホームページを立ち上げた籾山氏は、ホームペー
ジで伊勢志摩の旅館での先駆者になれると思ったそうである。
「資金力も無い、営業力も無い、田舎の弱小旅館が大きなホテルに対抗するには、
もってこいのメディアだと思ったのですよ。」と語る。
"暖かなふれあいが感じられる"がコンセプトの『民宿・霧の里』
大分の湯布院にある『民宿・霧の里』のホームページは、関東在住の著者を九州まで
呼び寄せたほどの魅力あるページである。民宿の施設、備品の説明から、地域情報まで、
読む人にひたすら優しいページである。
湯布院のすべての旅館を料金別・用途べつにと紹介する『湯布院旅館組合』
『湯布院旅館組合』のホームページは、『民宿・霧の里』の川崎氏が、旅館組合の青年部
のメンバーと協力し合いながら、開設したページである。全国でも有名な観光地である湯布
院は、インターネットへの取り組みでも群を抜いている。
<<執筆担当・青木悠子>>
VFG04234@nifty.ne.jp
ペンションは低料金で長期滞在者向けの宿泊施設として、ヨーロッパで古くから普及していた。
日本では1979年に初めてのペンションが群馬県草津で開業して以来、徐々に増加している。ペンシ
ョンの特徴として、@需要の季節変動が激しく、観光旅館やホテルが進出しにくい立地条件が多
い、A経営者や個人のライフスタイルを重視する企業が多い、B経営者の年齢は総じて若い、な
どが挙げられる。
地域をあげて情報インフラ整備に取り組む『長野県・安曇村』
「日本のスイス」と言われる安曇村で、現在、官民一体となった「安曇村インターネットプロジェク
ト」が立ちあがっている。中心となって動いている岩田健二さん(「銀山荘」の管理人)が、「地理
的、物理的辺境を超えて情報発信するにはインターネットだ!」、「ひとりでなく、地域全体で情
報の活性化を図らなければだめだ!」とのことで始めた。スキー場としては日本で初のリアルタイ
ム動画中継などを行い、1年間で700万円の売上アップがあった。
<<執筆担当・伊藤光之>>
cbcamori@avis.ne.jp
リゾートホテルとは、欧米ではバカンスを楽しむために長期間滞在する保養地などのホテルをいう。
日本での歴史は浅く、近年マリンリゾート地やスキーリゾート地に建設されたものが多い。
1995年の主要リゾートホテル利用率は57.3%で、ホテル平均の67.8%に比べてやや下回っている。こ
れはリゾートホテルが観光地に立地するため、激しい季節変動の影響を受けていることによる。
営業情報の発信にインターネット利用『斑尾高原ホテル』
「斑尾高原ホテル」は長野県北部の飯山市に立地する斑尾高原で、スキー場とホテルを中心としたリ
ゾート経営を行っている。ホームページの制作と更新は営業課係長の関均さんが行っている。ホー
ムページ開設の目的は「地域の発展」で、「毎日更新」を実施している。夏は、パラセールの様子を紹
介したり、スキーヤーにとって関心の高い雪の降り始めの時期には、1日3回もホームページに情
報をアップしている。
<<執筆担当・伊藤光之>>
cbcamori@avis.ne.jp
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