< 『にいがた商工連ニュース』2001年12月号掲載>
<売上の18%をネットで受注し、下請け体質を脱出−(株)安田塗装>
http://www.toshima.ne.jp/~penki/
企業規模の大小に関わらず企業PRやネット販売を行う手段として、ホームページが注目されています。IT化が遅れていた建設業も多分にもれず、ITに取組み大きな成果を上げている例も増えています。今回ご紹介する安田塗装(東京都豊島区、安田勝利社長)もそういった企業の一例です。
同社は首都圏での事業を主体に行ってきましたが、その内訳はゼネコンや他の工事業者からの下請け受注が99%という待ち受け体制でした。そこで、現在ホームページの管理運営を行っている安田啓一氏が同社に入り、「このままでは業界で生き残れない」といった危機感から企業体質の改善に乗り出しました。その第一歩としてホームページを活用した直販体制作りに取りくんだのです。ネット受注を中心とした直接販売獲得と企業PR、そして同社への顧客満足度を向上させることを考えたのです。
まず、安田氏が頭を悩ませたのが、「手抜き工事」や「工事価格が不透明」といった消費者にある悪いイメージをどう払拭するかでした。一般的に建設業では手抜き工事や工事価格の不透明感が根強い業界でした。そうした不安感をどう取り除くのかに苦心したそうです。そこで、塗装工事の全体工程や工事の必要性、また工事価格の明細までをホームページ上に掲示することにしました。こうした取組みを行なっている例は少なくないですが、同社では全ての材料単価から施行費、さらに諸経費までを掲示しています。つまり消費者にとって、一番不安になる「代金」を明確に開示しているのです。
そのほかに、実際の壁と屋根のカラーコーディネイトを画面上で試すことが出来るページや同社が扱う塗装材料について紹介しています。大手企業などが掲載しにくい細かい情報を丁寧に紹介しているのです。
@イメージキャラクターを用いた親しみ溢れるページづくり
今世の中にはホームページが溢れるほど存在します。その中でいかに目立つ存在となるか?安田塗装はこの答えに親しみやすいキャラクターや画像、色使いで差別化を図ることにしました。いくらコンテンツが充実していて、必要な情報が掲載されているホームページでも、実際に読んでもらえなければ意味がありません。そこでページの各所に家やペンキのイメージキャラクターを配し、文章ではなく「見た目」で惹きつけるものとしました。そのおかげで、お客様に全てのページを見てもらえるようになったり、塗装工事への理解度が深まってきているそうです。
またキャラクターなどの画像を使ったことには、もうひとつ重要な意味がありました。それは、家計を預かる主婦・女性へのPR効果が高いということです。文章より画像などで企業イメージや実際の工事工程などを訴えたほうが伝わりやすのです。
A信頼度を上げる職人紹介のページ
イメージキャラクター以外に同社が抱える職人を写真付で「○○名人」と銘打って紹介しています。この職人紹介は同社が抱える16名の職人のうちベテラン7名を登場させ、写真・職歴・得意技などが紹介されています。実際に現場で施工を担当する職人を紹介することによって、顧客への安心感のPRと楽しさを訴えることに成功しています。また他の大手業者などのように丸投げ工事や職人の顔の見えにくい会社との差別化にも役立っています。
同社のホームページは昨年の9月に立ち上げてから急速に認知度、アクセス数ともに上昇しています。その訳は、ひとつに数多くの検索エンジンに登録し、他のホームページにもリンク設定を依頼するという地道な作業を続けたことです。またコンテンツの更新・追加といった作業も大事にしていることが、リピーターを増やす結果となっているそうです。
安田塗装のホームページは、見ていると本当に楽しいものになっています。様々な情報をわかりやすく伝えるキャラクター、色使い。このように確たるポリシーと信念を持ってホームページを作成すれば、顧客との信頼関係を築きそれを受注に結び付けていくことができると実感しました。
| 青木悠子からのメッセージ |
建設業も厳しい状況で、IT活用に活路をかける企業が増えているようです。ホームページの作成は消費者を対象にする場合には親しみやすさをポイントに、事業者を対象にする場合は、コアとなる技術力を強調する方向で考えてください。また、HPだけでなく、CADの導入や進度管理、建設CALSへの対応も考慮したトータルとしてのIT推進を行ってください。 なお、この原稿は下記のサイトにアップしますので、ご参照ください。