< 『にいがた商工連ニュース』2001年11月号掲載>
<株式会社 ディックスクロキ>
http://www.ohya.ne.jp
若者・単身者向けを中心とした賃貸マンションの需要が全国的にも高い福岡。ディックスクロキでは、福岡都市圏で不動産オーナー向けに、賃貸マンションの企画・建設・管理を受託しています。多忙な若者・単身者は、情報収集にネットを駆使しはじめました。ディックスクロキではその環境の変化に着目し、賃貸物件の検索から、入居手続きまで全てネット上で完了できるサービスを展開。着実に会員・成約件数を伸ばしています。
図表1 業績データ 2001/3月期 (52KB)
(パワーポイントをお持ちで、IEを利用の方のみご覧になれます)
潟fィックスクロキは1991年に設立、主に福岡でビル、マンションの企画、建設、管理を主業務に展開しています。2000年5月からは、自社ホームページにて5000件もの賃貸物件情報が一度に検索できるサービス「大家さんを探せ!」を開始しています。
同サービスはパソコンの他、NTTドコモのiモード対応の携帯電話からも利用できます。
気に入った物件が見つかれば、下見の応募をします。そして所定の日時に直接現地に行き、入り口からディックスクロキに電話をします。そこで本人確認後、遠隔操作で部屋のオートロックを解除します。また夜間は警備会社に業務委託することにより、入居希望者が24時間下見に行けることを可能にしました。
また物件検索だけではなく、部屋の下見、契約、入居までもネットと郵便で済ませられるのが「大家さんを探せ!」の特徴です。実際九州の離島にお住まいの方が一度も福岡に来られないまま、福岡の賃貸物件の契約を済ませてしまった例もあります。この「日本初」のシステムは現在、ビジネスモデル特許を申請中です。
このような画期的なシステムではありますが、入居者にとって最大のメリットは通常必要な仲介手数料や敷金が不要な点にあります。入居希望者はかわりにクレジットカード会社の入会審査を受けることで、「入居者」は手間と入居時の費用、ディックスクロキ側も手間を省略し、来店せずに賃貸契約が出来るシステムを整えています。これによって入居時にかかる入居者側の費用は半額で済み、人気を博しています。
結果、契約件数も順調に伸びており、会員も今年1万人を突破し、目標会員数を前倒しで達成しています。
成功ポイントはこれだけではありません。実は「大家さんを探せ!」で扱っている物件は、自社で企画した物件をオーナー(大家)から一括して借り上げたものが対象となっています。オーナーから一括借り上げし、信頼性を高めることが可能だからこそ、良い物件をネット上に流せる仕組みになっています。実際他社の物件検索サイトに掲載の物件は、実際問い合わせると、良い物件ほど「すでに商談・契約済」の物件が多いのが現状です。そこでディックスクロキでは自社が手がけている物件のみに絞り込むことにより、その情報の時間的「ズレ」も無くしたサービス提供を行っています。
自社で手がける賃貸マンションの主な入居者層である若者や単身者はネット活用に長けており、サービス展開には有利です。そのメリットをマンション企画にも活用しています。
また既存の入居者や「大家さんを探せ!」の会員から集めた意見やアンケート結果を新規物件づくりにも活かしています。さらに自社物件の情報は地域の不動産会社にも提供し、結果自社物件の入居率は99%とほぼ満室の状況です。平均的な賃貸物件の入居率80%後半から比べると、驚異的な数字となっています。
通常の不動産業者による仲介には対面での「重要事項説明」が法律(宅地建物取引業法)で義務づけられています。ディックスクロキでは、サブリースという制度を活用する事により、対面での契約を不要にし、ネットにおいて完全に来店不要の入居制度を構築しました。結果、遠隔地への転居予定者を中心に、大変人気を博しています。
「時間」「空間」を超えられるというネットの特色を活かし、さらに入居時費用の大幅な削減等、他社に無いメリット・サービスを提供できる点が強みになっています。
| 青木悠子からのメッセージ |
不動産業のネット利用は注目を集めながら、成果を収めているのが少ないのが実状です。本実例でのポイントを見ると、ホームページの利用だけでない工夫が必要ということが分かります。オートロック解除システムのようなIT利用や、一括借り上げ、サブリース制度などのIT以外のシステムです。トータルとしてのシステムの構築が、今後の経営には必要ということが、よく分かる事例です。 なお、この原稿は下記のサイトにアップしますので、ご参照ください。