< 『にいがた商工連ニュース』2001年6月号掲載>

  事例に学ぶIT活用のポイント
 
〜iモードの地域密着型活用−3回目〜
    
執筆者 藤田隆久

<三原市の商店情報を「i-みはら」で発信>
http://www.mhr-cci.or.jp/i/i.htm

増加を続ける携帯電話からのネット接続 

最近は携帯電話からのインターネット接続が可能になり、パソコンからのインターネット接続を上回る勢いで普及しています。これらのサービスはホームページのアドレスが分からなくても、ボタン操作に従えばアクセスできる手軽さが受け、利用者が急増しています。今回はその中でも加入者数が2000万人近くになり、圧倒的なシェアを誇るNTTドコモの「iモード」サービスを使った身近な活用例をご紹介します。

地域の活性化に先進ネットワークを 

 広島県三原市の三原商工会議所では、地元で電子商取引のシステムなどを開発する木根森弘治さんの協力を得て、地元の商店情報などを「iモード」利用者向けに発信するサービスを2000年7月から開始しています。
きっかけは商工会議所が主宰するメーリングリスト。三原市を盛り上げる議論をしていたところ、メンバーであった木根森さんから「i−みはら」の提案があり、会議所との共同事業がはじまりました。 
 ファッション、日用品、家電などの小売店、飲食店、ホテルなど市内の168店舗(4/24現在)が参加し、消費者に向けて以下の8つの情報サービスを実施しています。
  @お店の主張―各登録店の曜日毎のユーザーに対するPRコメント
  A耳より情報―各お店のイベント・タイムバーゲンなどの情報
  Bクーポン情報―システム利用者だけの割引、お得なサービス情報
  Cお薦め商品―各店舗のイチ押し商品の紹介
  D連絡先―電話番号とメールアドレス、簡単な地図情報
  E時刻表―三原駅からの時刻表機能
  F土産品情報―地元特産・名産品の紹介
  Gその他―占い、試食会情報、会議所情報など

新しい集客ソフトとしての「iモード

 ショッピングセンター等の郊外地進出により、地元商店街等の市街商業地の空洞化が各地で進んでいます。「iモード」の主要利用者である若年層を中心に情報提供を行うことは、消費者の市外流出を防ぎ、同時に広い地域からの集客、自店舗への来店に役立てるのが狙いとなっています。

利用者のハートをつかむ情報提供

 初めて利用する人が携帯電話から移住地域や性別、職業などを入力すれば、その人の属性に合わせたトップページ(最初の画面)の表示が可能となります。例えば市外居住者には観光案内を、主婦には割引・特典情報など、利用者(検索者)の特徴に合わせた利用者のハートをつかむ情報提供を心がけています。
店舗の検索についても目的(食、飲、おしゃれ、遊び、学ぶなど)、場所(商店街別、住所別など)人気店などの分類で可能となっています。また営業時間中は「ただいま営業中」と自動的に表示されます。また店の電話番号表示にカーソルを合わせ、発信ボタンを押すだけで電話がかかるなど、店舗の電話帳機能も利用者の利便性向上に役立っています。
その他、ポイントを集めると景品がもらえるなど、「iモード」を見れば見るほど利用者が得をする特典も盛り込んでいるのが特徴となっています。

店舗側が入力・更新しやすい仕組みづくり

 店舗のパソコンから毎日自店舗の情報を書き換えられる仕組みを構築し、例えば「今日の昼定食はあじフライです」などのタイムリーな情報も掲載できる環境となっています。またパソコンを持たず、自店で入力できない店舗に関しては、商工会議所が入力代行も行い、その他顧客利用データの活用が可能など、多くの店舗で活用しやすい仕組みづくりを行っています。

<ワンポイント>(by 藤田隆久)

ネットワークの普及においては、利用者だけでなく、情報提供者も含めた誰もが活用しやすい仕組みづくりが普及・拡大の「鍵」となります。「iみはら」は各店舗側の入力・更新が容易で、地元住民や三原市の訪問者に役立つ環境が整っています。このような地域コミュニティにおいて、 携帯インターネットは様々な形で活用が期待されています。今後は、住民・訪問者に継続して見てもらえ続ける内容等、ソフト面の充実が成功の鍵となるでしょう。

青木悠子からのメッセージ
 iモードは出せる情報量は少ないけれど、外で使えるという特徴があります。そういう特徴からすると、地域ITにはより向いたツールです。けれど、iモードを利用するには、各店がリアルな情報を更新できることが条件になります。各店舗側の入力・更新が容易な「iみはら」の導入が、成功のポイントでしょう。

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