IT徒然草と称して、日ごろITがらみで感じていることを、書いてみようかと思います。
本当に、たまーにということになるでしょうが、暇つぶし程度にご覧ください。
2001年5月24日アップ
顧客を増やしたくないーその1
先日、続けざまに大分と高知に行き、「顧客を増やしたくない」という話を聞いた。日ごろ、「ネットで市場拡大」を連呼している身にとっては、まるで別世界の出来事を聞いているようだ。
最初の話は、大分の湯布院である。湯布院には数年前にある民宿にサービス業のネット活用の事例として、取材に行ったことがあった。その民宿のホームページだけでなく、湯布院全体の温泉旅館協同組合のホームページもよくできていた。特徴や価格などで旅館や民宿が検索できるようになっていた。今でこそ、珍しいものではないが、当時としてはかなり進んだものであった。
今回、別府での仕事が入ったので、久しぶりに湯布院の様子が聞きたくて湯布院まで足を伸ばした。湯布院には、M氏やN氏といった名物社長がおり、際立った特徴もなかった湯布院に映画祭などを誘致して、湯布院を今のような素敵な土地に仕上げていったのである。
しかし、今回はどこへ行ってもどこかトーンが低いのである。お客は多いのにである。そのお客を目当てに、外から移り住み、商売を始めた店も多い。大いに結構なことではないか。それなのに、この雰囲気は。理由は、こういうことらしい。人気が出すぎて、当初、M氏、N氏の目指した文化度の高い湯布院と異なる方向に行きつつあるのだそうだ。土日は若い女の子で混雑し、そのお客を当てこんで出てくるお店は、まるで原宿の店のようだ。昔ながらの、よき湯布院を愛してくれたお客様の足も遠のいている。このまま突き進めば、やがて、軽井沢や清里と同じ道を辿るだろう、というのである。
ネットを使う目的には、実は、「市場拡大」と同時に、「顧客選択」ということもある。これは、その店や土地のコンセプトを強力に打ち出し、コンセプトに合わない顧客を排除するというものである。たとえば、松江に「てんてん手毬」という女性向けのかわいらしい旅館がある。部屋の中でお香を焚き、お茶席をイメージした広間で色とりどりの浴衣を着て、夕食を食べる。強力なコンセプトをホームページで打ち出している。そこでゆるやかに顧客の選別を行っている。間違って中年男性だけのグループがやって来たとしたら、お互いにとって大きな不幸だからである。
コンセプトを強く打ち出し、来て欲しい顧客だけに来て貰い、存分に満足して貰う。これが、これからのビジネスの方向に違いない。そのコンセプトを顧客に理解してもらうには、ホームページは必須の道具立てだ。しかし、こちらのコンセプトの中に顧客の属性も入る場合がある。「若い女性が楽しく、お酒を楽しんで欲しい居酒屋ー酔っ払うだけが目的の中年男性客に来て欲しくない」。「落ち着いた中高年の客だけにゆったりと楽しんで欲しい料理屋ー魚の食べ方も知らない若い女性客に来て欲しくない」。言い方は悪いが、ターゲットとする顧客にとって邪魔になるような顧客である。ホームページでコンセプトを打ち出しても、自分もその中に入ると勘違いした消費者には、通用しない。これを排除するのは、コンセプトの強調だけでは難しい。来て欲しい顧客の条件づけということになるのだろうか。今後、どういう形で顧客選別が行われていくのか、興味を持って見ていきたいところだ。
2001年5月24日アップ
顧客を増やしたくないーその2
次の話は、高知市内にある青果店である。質の高い果物や野菜を扱い、全国に顧客を持つ店ということで有名らしい。特にアポも取らずに、客を装い、店を見に行ってみた。ちょうど、フルーツトマトが旬の時期なので、買う目的もあった。昼過ぎに行ったので、ほとんど売れてしまっており、商品も少なく閑散としている。お店の人は多いので、接客してくださった店員の方に、いろいろと話かけてみたところ、広報担当の社長の妹さんが丁寧に対応してくださった。
一番聞きたいことは、
「これだけの商品を持っている店なのに、なぜ、ネットショップをやらないのか」 ということである。
答えは、簡単だった。
「お客様を増やしたくない。これ以上お客を増やすと、今の商品の品質、対応を維持できなくなるから」というのが答である。
それでは、
「ネットは導入しないのですか」という二番目の質問には、
「導入する。今、電話や郵便で対応しているお客様がインターネットに移るにつれて、ネットでの双方向のやり取りを提供していきたい」
という答が返ってきた。
この店は、宅急便のなかった時代から、高知のおいしい果物を遠方のお客様に送りたくて、全国配送をしてきた、いわば、通信販売のハシリのような店である。すでに、30年以上も拡大路線を取らずに、丁寧な対応を売り物に続いてきた。同じ時代に、拡大路線を取り、敗れていったスーパーマーケットがあったことを考えると、感慨に捕らわれる。
もうひとつ、非常に印象に残った話があった。
「『いいものを安く』は嘘でしょう。生産者が丹精込めてつくったものを安く売ってはいけないでしょう」というのである。
確かに、今の日本は高コスト構造になっている。しかし、だからと言って、すべてを安くというのでは、本当のいいものが消えてしまう。消えるべき産業もあるだろうが、消してはいけないものがある。そういうものは高く売るべき、買うべきではないだろうか。ヨーロッパの階級社会は、高いものを高く買う層がおり、ブランドができてきた。ブランド物は、安く売ってはいけないのである。今の日本にイタリアのような職人技が残るかどうかの瀬戸際である。
安いものを売るのは簡単だ。高くていいものを、売ることは難しい。しかし、ネットの世界は、高くても買う人のいる世界だ。この青果店は、30年の時間をかけて、その顧客をしっかりとつかんでいる。ネットの世界はスピードの世界だが、ネットを利用していても時間をかけて築かなければならないものがあることを、忘れてはならない。
ここまで書いて、ブランド物を安く売り、安く買うという行為が非常にさもしいものに思えてきた。モノをきっちりつくる人々に対する感謝の印が、ブランドの価格ではないだろうか。それを払える人だけが、ブランド物を手に入れる資格のある人。それをしっかり支払わなければ、いいモノは消えていく・・・
2001年4月24日アップ
ネットでパソコンを買った
パソコンは仕事道具だから、ノート、デスクトップ合わせて平均一年に一台ぐらいの割合で買っている。以前に使っていたパソコンは、一年半ほど前に10万円パソコンが出回っていたので購入したものである。「ほー、たかだか10万円で500MHzのCeleronがついてるじゃないの、ハードディスクが10GBもあるじゃないの。上等上等」と感心して。
けれど、使い始めた途端に気がついた。画面表示の速度がめちゃくちゃ遅い!
「何、これ!?」、気がつくとVRAMという画面表示用のメモリーと普通のメモリーが共有らしい。仕様書にそんなこと一言も書いてない。たしかに、よくよく読むとVRAMについて書いてない。どうも、パソコンメーカーは、価格を落とすために、性能を犠牲にする手に出たらしい。
けれど、私はパソコン使うのが仕事。これじゃ、ポンコツ車でタクシーの営業をしているようなもの。とても、我慢できたものではない。とは言え、なんだかんだで一年以上経ってしまった。
やっと、今月少し時間をつくり、新車じゃない新機種を買いました。今度は、ネットで買おうと決めていたので、パソコンショップには行かず、ネットですべてをチェック。いくつかの大手パソコンメーカー、0からオーダーメードの個人ショップ。
どうも、0からでなくてもよさそう。以前から気になっていたD社に決める。 D社はBTOで有名なメーカー。画面でCPU、メモリー、とひとつひとつ選んでいく。 このメーカーの面白いところは、部品だけではなく、アフターサポートもいくつか選択肢を設けて、選ばせることだ。一番、手厚いものと簡単なもので一万円の差がある。
一番手厚いものは、土日、夜も電話でき、メール対応もしてくれるらしい。頻繁に電話で質問する初心者とベテランを区別しているらしい。
けれど、この画面で初心者がパソコンをBTOで注文できるのだろうか。
PentiumVとPentium4の違いの説明もない。メモリーは、どの程度積めばいいのか、初心者に判断できるはずもない。
一番の圧巻は、コネクタだ。RS-232Cというコネクタの説明に、RS-232Cでなくチップセットの名前が書いてある。チップセットの名前でRS-232Cと分かる人がどのぐらいいると思っているのだろう??
システムはいい。アフターサービスもいいらしい。けれど、購入者はヘビーユーザーだけだと思いますよ。初心者は、やっぱり無理でしょう。他の人が選んでくれるのでなければ。
けれど、もう少し、CPUやコネクタの説明を丁寧にするだけで、だいぶ市場は広がるのではないでしょうか。
注文画面はちょっと難ありでしたが、パソコンは注文5日後には届きました。結構、速いです。
今回は、少しお金をかけたので、まるで、スポーツカーに乗っているよう。快適です。
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